デンゼル・ワシントン出演、1987年公開の「CRY FREEDOM(邦題:遠い夜明け)」。
監督:Richard Attenborough
原作:Donald Woods
出演:Kevin Kline, Denzel Washington, Penelope Wilton, Kevin McNally
原作は、この映画に出てくる白人の新聞記者、ケヴィン・クライン(Kevin Kline)が演じているドナルド・ウッズ(Donald Woods、2001年に他界)の著書「Biko」。日本語訳版は「ビーコウ」
1987年、私が中学生の時かな? 初めてこの映画を観たのは学校でだったと記憶してる。それまで歴史で黒人奴隷などについては習ってきたけれど、この映画を観て私は何か思ったんだろう。その当時にどう思ったのかはもう忘れてしまったけれど、印象に残っていて。南アフリカ、ケープタウン。「スティーブ・ビコ」・・・この時の私の頭に残ったものが忘れられず、ブラック・カルチャーに興味を持つようになったということは確かです。
詳しいストーリーは映画を観て解釈してもらいたいから、ここではあんまり言わないでおこう。短く言うと、南アフリカのapartheid(アパルトヘイト)に対して「黒人であることに誇りを持て」と黒人の意識改革を中心に反体制運動・活動するビコにウッズは共感して、ウッズ自身もアパルトヘイト批判する。そして黒人居住地区に出入りして現状を目の当たりにする。ビコの死、ウッズの英国亡命。1970年代のお話です。
1976年のソウェト蜂起も描かれていて、それはひどい暴動だった。発端は、黒人居住区であるソウェトで、白人の言語で授業をすることを強いられたことに反発した高校生がデモを始めたこと。その高校生たちは、ビコが結成した黒人大学生の全国組織の弟組織に属していたのだ。その事件からも、ビコの影響力がかなり広範囲に広がっていたことがわかる。
マンデラ氏の1994年の黒人政権誕生でアパルトヘイトは終わった…なんて言われているけれど、「終わりの始まり」でこれからどうしていくかなんだよね。現在の南アフリカ、ソウェトではまた違った「a-part-hate」が続いてる。(「a-part-hate」というのは、Cyndi Lauperの歌。アルバム、「HAT FULL OF STAR」に入っている、いい曲です。)
現在のアメリカでの人種問題もそうだけれど、どうして黒人達は自分の仲間である黒人を痛めつけるのだろう? この映画で黒人のオジサンが言っている「Brother, Sister」の解釈は何なんだ? お互いに「Brother」「Sister」なんて呼ぶのにね。
この映画、ソウェト地区で毎年クリスマスにでも放映すべきだよ。そして、ウッズのような白人がいたことも忘れてはならない。彼は人間として素晴らしい勇気の持ち主。私が彼の役割になったとして、彼のように強くなれるだろうか?
ビコを演じるデンゼル・ワシントン(Denzel Washington)、頑張りましたね。発音から。それが自然なものであるかないかは私にはわからないけれど、すごく真に迫って感じられた。ちなみに彼、この作品では助演男優賞ノミネートに終わっています。
デンゼル・ワシントンは、その後、Malcolm Xを演じましたね↓
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