Director: George C. Wolfe
Writer: Ruben Santiago-Hudson
Starring: S. Epatha Merkerson, Terrence Howard, Macy Gray, Mos Def, Delroy Lindo, Rosie Perez, Ruben Santiago-Hudson, Jeffrey Wright, Saul Williams, Barry Shabaka Henley, Thomas Jefferson Byrd…
舞台は1950~1960年代のNY州、西の端に位置するラッカワナ。
原作者のRuben Santiago-Hudsonが、自身の育ての親であり、その地区で下宿屋を営みみんなの”Nanny”であり”Mom”であるRachelの生き様を語るというストーリー。
「自分は自分の為に生きる」ことができるからこそ、人に手を差しのべることができる・・・のかな。時には優しく包むように、時には厳しく突き放すように。。。でも、そこにあるのは博愛の精神なのね。Nannyを見てたら、そう感じた。
50~60年代というのは、公民権運動などを含めた黒人の意識向上とそれを形にしていこうという力が、生活にも現れていた時期なんだろう。もちろんみんなを取り巻く環境はいいわけではないし、これまでの境遇が後ろ髪を引いたりもする。そんな人が肩を並べていられるから、明日にも希望が持てるんだろうな・・・いや、持とうよ!と言える誰かが周りにいるから、相乗効果があるんだろうな。
日本でも誰に襲われるかわからない時代になった。でも、悪事を働く人にその瞬間に悪が降りてきたわけじゃないはず。この映画の中でのようなコミュニティーの存在って、もうなくなりつつあるのかもしれないし、現代社会では、こんなおばちゃんはお節介でしかないか、「偉そうな人ね」と映ってしまうのかもしれない。でもNannyのような人って、人間社会には必要で、そういう大人を見て育てば自然と「善悪の判断」や「博愛の精神」が身に付くんじゃないかなと思う。
深く突っ込んだ文化を感じさせる表現はないけど、みんなの着ているもの、喋る内容、歌の内容に自然と醸し出されてる。温かい物語。
またNanny演じるEpathaの演技としゃべり方がいい!
90年代からblack movieを楽しんできた人にとっては、もうスペシャル過ぎる登場人物。Delroy LindoやThomas Byrdなんて涙もの! 「Slam」のSaul Williams、「Boycott」でキング牧師を演じたJeffery Wright。Terrence HowardはNannyのあらくれ旦那役。Macy Gray、むっちむちだけど、かわいい! Mos Defさんは、歌っていました。そしてexective producerにはHalle Berryの名前も。