1988年公開、実際の事件をベースにアメリカ南部に1960年代にも残っていた人種差別問題を描く、映画「Mississippi Burning(邦題:ミシシッピー・バーニング)」。ミシシッピーで白人を含む3人の公民権運動家が行方不明になって、 ジーン・ハックマンとウィレム・デフォーが演じるFBIによって原因追及された結果、その州のお偉いさんたちが捕まるというストーリー。

ベースとなっている実際の事件の容疑者であるKKK幹部が、事件から40年ぶりに逮捕されてんてなぁ

監督:Alan Parker
脚本:Chris Gerolmo
出演:Gene Hackman、Willem Dafoe、Frances McDormand、Brad Dourif…
この映画では、1964年に実際に起こった事件をベースに、当時のアメリカ南部とはどういうものだったのかとか描かれてる。ちょうど1964年は「Long Hot Summer」といって、北部から公民権運動が盛んに行われ始めて、アメリカが人権問題に敏感になっていた時期。 COREやSNCCなどの黒人の公民権や平等を求める団体の活動も盛んで、この映画で描かれてる3人の青年達も「Freedom Summer Campaign」に参加し、黒人の有権者登録を組織立てようと活動してた最中だった。
映画ではFBIのお手柄として終わっているところ、実際はそれほど美談じゃなかったらしい。実は、FBIは青年グループの車が発見されてからようやく動きだしたそう。その頃のFBIのフーヴァー長官は、保守的なジョンソン政権に習え!の人やったし。そして、そのFBIの重い腰をあげさせたのは、当時の司法長官だったロバート・ケネディだった…ということ。青年達の車が発見されてから4ヶ月後に、やっと警察や牧師、保安官を含む21人の容疑者が捕まったけれど、結局州当局は彼ら容疑者を起訴しなかった。南部の根強い人種差別文化と、アメリカのいいところで悪いところでもある「州制度」を反映した事件だったんだろう。
実際とは異なる部分もあるけど、マルコムXやキング牧師といった語り継がれるリーダーのストーリーの背景には、こういった事件もあったのだということを伝える映画よね。ジーン・ハックマンやウィレム・ディフォーもいいけど、この映画でフランシス・マクドーマンドがお気に入りの女優さんになったよ。

同じころ、James Meredith事件ってのもあったよな
2004年頃 初回掲載
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