父親への憎しみと、バスケットボールで名声を掴む夢と現実の間で…スパイク・リー監督、デンゼル主演の映画「HE GOT GAME」

HE GOT GAME (1998) 邦題:ラスト・ゲーム MOVIE | 映画
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ふとした事故で自分の妻を殺してしまって、15年の刑に服役中の父親(デンゼル・ワシントン)と、愛する母を殺してしまった父を憎み、妹の面倒をみながら父親からたたき込まれたバスケットボールで名声を得ようとしてる夢を描くが現実的な子との物語を描く、1998年公開の映画「HE GOT GAME 邦題:ラスト・ゲーム」。

映画の冒頭からスパイク・リー ワールドです。彼の映画はエンド・ロールまで見逃せません。そこまで何か訴えかけてますから。

HE GOT GAME  邦題:ラスト・ゲーム (1998)

監督:Spike Lee
出演:Denzel Washington, Ray Allen, Milla Jovovich, Rosario Dawson, John Turturro, Zelda Harris

黒人文化って皮肉なことに、周りはみんなして名声を得るまで励まして褒め称えてくれるけど、実際名声を得て富を得ると、近しいところで敵に回る人が増えていくことってあるようで。みんなが「everyday struggle」な状況だから、幸せを掴んだ人に対して嫉妬心から「どうにかしてやりたい。」と思う気持ちが生まれてくることも多いのだろう。

私の心に残ったのが、父の行動もだけれど、 途中にちょっとだけそのプロジェクト(低所得者団地)地域を牛耳っているBig timeだっけ?がいう言葉。一字一句は覚えていないけれど、よかったら注意して聞いてみてください。「薬・酒・女」がお前をダメにする - しない人にとっては簡単なことに聞こえるんだろうけれど、どれも自己管理できるくらいで済めばいいけど、一度タガが外れてしまうと難しくなっていく人が多いのです。そして、何故か貧困と結びついていることが多い。自分自身を捨てることになっていくことに気づかずに、余計に深みにハマっていくことにならないようにしなきゃね。

Spike Leeは、家族愛や兄弟愛をよく描く。「まず血の繋がってるものを愛せ!」とでも言うかのように。彼は大きく「黒人はみなどこかで血が繋がっている」と考えてると思う。その先には「人間みんな、血が繋がっている」んだとも知っている。まずは身近な黒人達に「自分達を愛せ!」と伝えることによって、色んなヘイトの連鎖を解こうとしているのじゃないだろうか。

それと、いつもSpike Leeの作品で感動するのが、色の使い方。
黒人らしいっていったら偏見に聞こえるかもしれないけど、あの原色の使い方は黒人ならではだと思うんだよね。

この映画で描かれているバスケットボールの世界もそうだけれど、スポーツでの戦いって基本的に健全なことが多いよね。「できるヤツは認められ、認められるヤツは挑戦を受ける」という場面に出会うと、ほんとスカッとする!でも、プロの世界に近づくにつれて、この映画にある「引き抜き」のような汚い部分が存在する。残念だけれど、プロとなるとビジネスが絡んでくるのだから、ビジネスの世界のように引き抜きや駆け引きがあるのは仕方のないことだろう。

父親を演じたDenzel Washingtonの役作り、なかなかいい味出していますね。歩き方や話し方、ghettoの父親って感じがよく出ているのではないでしょうか。この映画(1998年公開)までの彼は、スマートな役どころが結構多かったので、今までと違うDenzelが見れました。

他の注目点は、Public Enemyの音。エンディングで流れる「He Got Game」、歌詞もみてほしい。サウンドトラック、「HE GOT GAME soundtrack」も最高です。

しかし、なんで邦題が「ラスト・ゲーム」なんだろう?
私にとっては、彼らの始まりでもあるように映ったんだけれど。日本語を使わないのなら、わざわざ邦題つけずに原題のままでいいと思う。

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