2005年公開、イギリスの田舎町の代々続いている紳士靴メーカーが、経営不振から立ち直ろうとどう取り組んでいったかという、実在の話を元にした映画 – Kinky Boots (邦題:キンキーブーツ)。「12 Years a Slave (2013) 邦題:それでも夜は明ける」のChiwetel Ejioforが主人公のドラァグクイーン、Lolaを熱演。
この立ち直り方が突拍子もないアイデアだった。伝統を重んじるイギリスで、このアイデアを実行に移すのは、かなり勇気ある行動だったと思う。そのアイデアというのが、「ドラァグクイーンの靴をつくる」というもの。
Directed by Julian Jarrold
Written by Geoff Deane & Tim Firth
Cast: Joel Edgerton, Chiwetel Ejiofor, Sarah-Jane Potts, Nick Frost, Jemima Rooper
どうやってそのアイデアにたどり着いたのか、それを実行していったのかは是非映画で観てもらいたい。映画自体は大変シンプルで、よくある「成功を描いた、事実に基づくストーリー」なのかもしれないけど(ってもこれが実際起こった出来事ってのはほんとすごいことやねんけど)、ドラァグクイーンであるLolaの心の葛藤を焦点にあてて観てみると、また違った感動となる。「黒人である」ということはあまり焦点に置かれていないのは、土地柄なのかしら? 性別のほうが、大きな問題だからかな。
私、おネエバーに何度か行ったことがあるけれど、いつも彼女たちにはウケがいい。最初はぱーっとみんなで楽しくやってるんだけど、何故か私、彼女ら(彼ら?)と知らぬ間に本音トーク始めてることが多くて。彼女達の過去はもはや「思い出」にしていて、今は結構楽しく過ごしてたりする。でも、本音が見え隠れしてくると・・・複雑な思いもいまだにあるって人も多いみたい。「でもさ~、オカマなんだから、仕方ないわよねェ~」なんて、明るいトーンだけど自分に言い聞かせるように言う彼女達は、強い。「だって~、強くないとやってらんないわよぉ~」って返ってくるやろけど。
Lolaの姿が彼女たちと被って、「どうしたのよ、ちょっと。話聞かせなさいよぉ~」なんて声かけたくなる。そして、「まぁ、あたしも同じようなものよ。でもあんた達には女独特のヒスがでないだろうから、うらやましいわ。女も楽じゃないわよ。」って言いながら呑みたいね。
・・・ってか、彼女らと話すときって、私、関西弁じゃなくなるのは何でやろか?
強さをもらえる映画なので、本当、もう10回くらい観たかも。何度か観るともう、初めのシーンから泣けちゃう。
この物語は、Cyndi Lauperが音楽と作詞を担当して、2012年からミュージカルにして演じられています。ミュージカルの題材として表現したくなる物語だもんね。見てみたい。
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