1950~60年代に数々の黒人アーティストを生みだしたレコード会社を描いた実話ベースの映画「Cadillac Records(邦題:キャデラック・レコード 音楽でアメリカを変えた人々の物語)」

Cadillac Records MOVIE | 映画
ALL ENTRIES | すべてMOVIE | 映画THOUGHT | つれづれ

Muddy Waters(ジェフリー・ライト)、Little Walter(コロンバス・ショート)、Willie Dixon(セドリック・ジ・エンターティナー)、Chuck Berry(モス・デフ)、Etta James(ビヨンセ・ノウルズ)を生み出したLeonard Chess(エイドリアン・ブロディ)率いるChess Recordsの栄枯盛衰を描いた実話がベースの映画、2008年公開「Cadillac Records(邦題:キャデラック・レコード 音楽でアメリカを変えた人々の物語)」。

Chess Recordsはシカゴに1950年に設立し、1960年の終わり頃まで数々の黒人アーティストを生みだした。

Cadillac Records キャディラック・レコード(2008)

監督・脚本:Darnell Martin
出演:Adrien Brody, Jeffery Wright, Gabrielle Union, Columbus Short, Cedric the Entertainer, Mos Def, Beyonce Knowles…

才能あるアーティストが見いだされ始めた50年代のブルースの盛り上がりから、黒人ロック・スターの誕生。Leonardはブームを感じて音楽業界の波にのり、才能があると思えば家族同様にアーティストを扱い、また売れたらご褒美も忘れない。そのご褒美の一つが、映画タイトルにも入っている車「キャデラック」であったという。

音楽業界だけでなくどこでもそうだけど、成功のためにはLeonardのような人っていたりするんだろう。プレイヤー自身が資金出して、マネジメントもして、というのは可能だけども規模が限られるだろうから。とはいえ、マネジメントビジネスは難しいもので、ヒット出して還元するというだけでは「存続」できない。運よく続いて10年くらいじゃないだろうか。一発当てることができた惰性でそのまま過ごしてしまうと、知らないうちに為す術がなくなるだろう。この映画をみて、「Chess Recordsがどうしてたら存続できたんだろう」ということを考えてみるのも、おもしろい。

「white」と「colored」の境界線や、警察の黒人への虐待の様子などが垣間見れます。ただし、あまり掘り下げられてはいない。音楽を前面に出したかったのかもしれないが、音楽やってるシーンをもうちょっと削って、人種差別的背景をもう少し描いたほうがよかったような気もする。

ただし、Chess RecordsはLeonardとその兄弟のPhilipがパートナーとなって経営してたようだけどそれは全く描かれていないとか、Etta JamesはChessがプロデュースしていたわけではないとか、時系列が入れ替わって表現されている箇所があるようです。

モス・デフのChuck Berryはハマり役。Little Walter役のコロンバス・ショート、熱演賞。ビヨンセのEttaには賛否両論かもしれないな。もうちょいあの頃の泥臭さを出してもらわないと、時代が感じにくい。しかもドラッグ中毒に陥っていた関連シーンは、まるで付け足したエピソードのようでリアリティが感じられない。ジェフェリー・ライトは努力賞。ただMuddyのマネをしようとしてたからだろうか(どこまで似てるかわからんが)、演技というよりモノマネ大賞に参加してる人のように映っちゃって、感情移入がしづらかった。

監督のダーネル・マーティンは「Their Eyes Were Watching God」など主にTVドラマの監督をされてるよう。そういや、「Their Eyes…」の方も、淡々とストーリーが進んでいく映画だった。

コメント

タイトルとURLをコピーしました