ワシントンDCで行われる「Million Man March」に向かって、様々なバックグラウンドをもった12人の黒人達を乗せたバスはLAを出発。その道中の色んな人間模様をスパイク・リー監督が描く、1996年公開の映画「GET ON THE BUS (邦題:ゲット・オン・ザ・バス)」。
「Million Man March」は、Nation of Islamの指導者のLouis Farrakhan(Malcolm暗殺に関わりがあるともいわれていたりした人だが)の先導によって、1995年10月16日にワシントン広場で実際に行われた集会。黒人男性が自分達で経済的困窮や社会問題から抜け出せるように団結をしよう!またそのために政治家の注目を集めよう!と立ち上げられた。参加資格が全米黒人男性のみってのが「?」って感じはするんやけども。
監督:Spike Lee
出演:Ossie Davis, Richard Belzer, Isaiah Washington, Bernie Mac, Thomas Jefferson Byrd…
集会があったのは事実やけど、描かれたバス旅の道中などは映画として描かれたストーリー。スパイク・リー(Spike Lee)らしい、ドキュメンタリー・タッチの臨場感あふれる撮り方が、こちらを引き込んでいく。
結末もスパイク・リーらしい。この結末があたしにとっては凄く、意味のあるものに思えた。スパイクはこのマーチの本当の意味とは何かを訴えかけてる気がする。そもそも、このマーチの参加資格が「男性のみ」っていうことで、目的も漠然としてるような気がするねん。そこにも意味があるような。ま、ここで私がツラツラ書き連ねるより、ご自身で観て調べて、感じてみてほしいなぁと思います。
サウンドトラック「Get On The Bus – Music From And Inspired By The Motion Picture」は、道中のバス内での「Roll Call」から始まる。黒人文化を感じるパートや。私達日本人も、これが自然にできたらなぁ…。サントラは新・旧入り交じった選曲。Doug E Freshの「Tonite’s The Nite」のファンキーさがええな。他にもStevie WonderにCurtis Mayfieldなどが聴かせてくれます。
そういえば、この映画は単館で上映されてた最後の日に駆け込みで観に行ったっけ。お客さん、10人もおらんかったような…。1996年当時は、まだ日本でブラック・カルチャーに興味をもっている人が少なかったからか。しかも大阪は単館映画自体が少なくって、マイナー映画を見に行く人口も少なかったやろからね。
2007年11月25日 初回掲載
スパイク・リー監督作品で好きな映画いうたら…
コメント