「Boyz n the Hood(邦題:ボーイズン・ザ・フッド 1991年公開)」のジョン・シングルトン監督、「JUICE(邦題:ジュース 1992年公開)」のオマー・エプス主演でアメリカの大学を舞台に人権や教育について考えさせられる、1995年公開の映画「HIGHER LEARNING(邦題 : ハイヤー・ラーニング)」。
もう何度も見ている映画の一つ。アメリカの大学でのリアリティを描いてるのだけれど、終わりはなんか怖いものを感じますね。特に大学生から20代の人達には、この映画を観ると色々な思いが湧き出てくるんじゃないだろうか。
最後はサイコパスが起こす悲劇なんだけれど、そういった外的要素が影響で「サイコパス」って生まれているんだろうか、それとも生まれながら持ち合わせている性質なんだろうか。
黒人は「黒人だからこその劣等感」を勝手に感じて、もしくは植えつけられているが故に差別を意識していたり、白人は白人で様々な人種が混じりあうことが常となったアメリカの状態に不満で、そのせいで白人自身が落ちぶれていってる、もしくは貶められていっているという思いを植えつけられていたり。
映画の最後に「unlearn」って言葉が映し出されるのだけれど、その真意はなんだろう?
Cambridge Dictionary
to make an effort to forget your usual way of doing something so that you can learn a new and sometimes better way(より新しくより良い物事を学べるように、今までにやってきた方法を忘れようとすること)
Longman Dictionary
to deliberately forget something you have learned, in order to change the way you do something (方法を変えるために、今まで学んできたことをわざと忘れようとすること)
監督・脚本: John Singleton
出演:Omar Epps, Ice Cube, Laurence Fishburne, Tyra Banks, Busta Rhymes, Regina King…
この映画では 「知識は必要。でも知識だけじゃただの本やら雑誌と一緒。得た知識(間違っているかもしれない知識)を自分でどうやって生かすかが問題。」っていってるよう。人間は知識を持っていても、時が経つにつれて変化する事象と照らし合わせて、その知識をあらためて見つめ直してみたり、知識があるからこその行動をしない限り、何もしていないのと一緒だもんね。知識を持ったからといって、その知識だけを鵜呑みにして自分の価値観を固めていくのも、すごく恐ろしいことなのかもしれない。この映画ではその知識と行動のバランスを考えさせられる。Star Warsで描かれている「フォース」のバランスのよう。
アメリカの大学生活も描かれていて、学内レイプや同性愛やらもとりあげられている。アメリカの大学は寮生活も多いから(私も大昔に1年間だけ体験しました)、この映画で描かれているちょっとした事件は「あるある」だと思う。
社会だとある程度自分の範囲で行動できたりするけれど(住むとこも、働く場も)、大学はそうじゃない。特に寮生活になると、様々な境遇の人間がまさに共同生活しなきゃなんないからね。
あ、私もアメリカでの寮生活時に1回あったな… 別の寮のパーティーで盛り上がった女の子達に気に入られて、その子達の部屋に呼ばれて。盛り上がっていくうちにこの映画にあったみたいに、tubeでビールのイッキ飲みさせられたのよ。ふしばらくして、奥の別の部屋から「ちょっと男呼んできなよ」って声が聞こえてきて。
私はその頃、お酒にめっぽう強かったのよね。一気飲みしながらも周りからの声は聞こえてた。その寮では知らない顔だったし、おそらく私のこと「アジア人であんまり英語わかってへんやろ」と思ってたんだろうね。結局、私は「Sorry, it’s not enough for me to get drunk. I gotta go, thanks for the drink!」ってなこと言い放って、帰った。女性陣は、呆然としてたっけ。今考えると、危なっかしいな、私。
フラタニティのエリアかでは毎週パーティーして馬鹿騒ぎしてはったわ。ほんと、女の子も「犯して!」といわんばかりに。寮の部屋はブラックライトで…なんかの草の匂いが漂っていたり。私が入ってた寮の学生達はそこまでのことはなかったけれど。
アイス・キューブが大学生を演じてるのは少し笑えてしまうけれど、すごくいい役やっています。他の学生役にはモデルのタイラ・バンクス、ラッパーのバスタ・ライムスや、ジェニファー・コネリー、レジナ・キングなど。サイコに染まっていく、映画のキーとなる学生には、「MEN OF HONOR(邦題: ザ・ダイバー 2000年公開)」出演のマイケル・ラパポート。教授役はローレンス・フィッシュバーンで、さすがこの映画を締めてます。
この映画のサウンドトラック「Higher Learning : Music From The Motion Picture」は、Ice Cubeをはじめ、Raphael Saadiq、Outkast、Zhanéなどで構成されています。
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