十銭 が気付かせてくれたこと feat. レジのバイトくん

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もう15年程前、まだ電子マネーが普及していなかった頃のお話。以前住んでいたマンションのとなりの某チェーンスーパー(関西資本)でのこと。

は~疲れた・・・と私が買い物してたのは21時過ぎていたでしょうか。旦那様と色々物色しながら、「を、今日は98えんくん、レジおるで」。久々の98円くんとのご対面・・・大学受験でバイト辞めたのかと思ってたわ。

98円くんは働きモノで、たぶん高校生アルバイトと思われるメンズ。どちらかというと、いわゆるイマドキのオシャレメンズではない、工業高校系の「アンタ、バイク好きでしょ?ロスマンズカラー?」的なコ。98円で終わる金額の読み上げはマスト。158円だとちょっと躊躇。おつりの小銭をキチンとそろえて手渡してくれる・・・そんなこだわりのある彼。

せっかくだから今日のキャッシャーは彼をチョイス・・・とレジへ向かう。会計は滞り無く行われ、「○○円です」。私は小銭をキチンと出すタイプ・・50円や5円がバックされるように計算して会計するのは、30年以上前のジャスコ(現在の「イオン」の日用品売り場)のレジで鍛えた技(高校時代。喫茶店とのバイトの掛け持ちと部活の3重苦だったあの頃)。

会計は滞り無く行われる・・・と思いきや、渡した5円が機械に跳ねられる模様。「手打ちレジじゃないもんな、今は。機械だったら融通きかないし大変なこともあるだろね」なんて思ってる間に、98円くんは3回ほど、私が渡した5円を機械に入れている。

3回目が失敗した直後、レジに慣れてる私なのに、98円くんからの思わぬ一言にうろたえる。

「十銭って5円ですか?」

「へ?」

・・・「!」

そうだったのね!!!

実は私が5円だと思って渡したのは、10銭玉だったのだ。何故にどうして!? 最近のレジって、受け取ったお金を読み込ませたらおつりも計算されるタイプばかり・・・ということは、どこかでこの10銭は10銭だと認識されてるはずなのに、良くもまぁ私に回ってきたもんだ・・・もしやいつも行く某国領事館で受け取ったのか?

何という巡り合わせだろう!

でも、私がもっと感激した巡り合わせは、
あの98円くんから「十銭って5円ですか?」という言葉が聞けたこと。なんてステキな発想なの?と思いませんか?

「これ、ニセの5円でしょ」
「この5円、おかしいですよ」

でなく、お客さんが正しい5円を出したことを前提にトーク出来る彼は、素晴らしいキャッシャーマン!

しかし何でまた十銭が手元に・・・?
巡り巡ってきたこの10銭。この頃、自分たちで良かれと判断して事務所を移転した頃。自分たちで選んだモノで新しい環境をつくり、休日も無くやってきたこの1~2ヶ月が間違ったものではなかったといってくれているようで、もう、涙が出そうになった。

その思い出と共に、巡り巡ってきた10銭は私の元に留まることになりました。

今までも開業~事務所開設~会社設立としてきたけど、この時の移転ほど意味のあるものはなかったと思う。それから手狭になってきた7年後に、現在の場所に移転することになるのだけれど。

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