アレックス・ヘイリーが自身の父方の祖母を描いた小説が超大作TV映画になった、ハル・ベリー主演の「Queen」

Queen(1993 TV) 邦題:クイーン ALL ENTRIES | すべて
ALL ENTRIES | すべてMOVIE | 映画

アレックス・ヘイリーが、南北戦争時代に生きた父方の祖母クィーンの姿を描いた小説「「Alex Haley’s Queen: The Story of an American Family」。それを原作に1993年テレビ映画化したのが「Queen(邦題:クィーン)」。

全部で282分の長さだから、たぶんテレビでは約90分×3本だったんだろう。DVDだと2枚に別れてるんだけど1枚目に2本分が入ってて、実に長い!でも、途中からのクィーンの悲壮さに引き込まれていって、全然時間を感じなかった。

黒人、白人、プランテーション、奴隷制、南北戦争、自由を勝ち取った(ようにみえた)黒人、南部の生活、KKK、黒人と白人の混血、宗教、土地、愛・・・

Queen 邦題:クイーン(1993年 TV)

監督:John Erman
原作:Alex Haley
脚本:David Stevens
出演:Halle Berry, Ann-Margret, Patricia Clarkson, Jasmine Guy, Ossie Davis, Danny Glover, Dennis Haysbert…

白人の主人と黒人の女奴隷との間に生まれた、混血のクイーン(ただ、ほんと名前はどうにかするつもりはなかったんだろうか・・・イタい名前になりかねないのに、この名前にツッコみ入れた人物は映画内に一人しかいなかった気が)。奴隷黒人を卑下するわけではない白人家庭に仕えてたこともあって、クイーンの母親や祖父は読み書きもできるという、いわば「恵まれた奴隷」だったといえるだろう。働きものでで一生懸命生きる彼女だったが、混血のライトスキンだということで、周りの黒人からはいじめられたり、白人には白人と間違えられることもあったりと、自分自身のアイデンティティを見失い、右往左往することになる。

終盤に、クイーンが「I, I scared. I scared of me.」とつぶやくシーンがある。小さい頃から、愛に触れたい、安心して眠りにつける場所で生きたい・・・彼女は強く感じてきたに違いない。それなのに、生きる術と愛を探っては、信じれば裏切られ、もう自分が何者なのか、どうしたいのかもわからず、このままでは自分が何しでかすかわからなくて、怖かったんだろう。

南北戦争で北軍が勝利したことで、黒人は奴隷制から解放され自由になった・・・というのは、あくまでも建前でのお話。自由になったからこそのしがらみが、彼らを待っていた。目障りな黒人は、KKKによって容赦なく「Strange Fruit」となる(簡単にいうと、リンチした後に木で首をつらされて燃やされたのが「木になる実に見える」ということから生まれた表現)。

展開が早すぎるシーンもあったり、悲壮すぎるシーンもあるけれど、最後は「愛を感じられたのね。自分を取り戻せたのね」とホッとさせられます。このストーリーを孫が書いたのかと思うと、さらに胸が熱くなる。

この映画はアレックスの父方の祖先のお話だけれど、彼の母方の祖先を描いた映画「Roots」(「フィクション」と「ファクト」を混ぜた「ファクション」らしい。)、私はまだ未視聴なんよね。アレックスは「Autobiography of Malcolm X」を書いたことでも知られています。私、ペイパーバック買ったのに途中で止まってるよ。。。何年前だ、買ったの。

ハル・ベリーの舌足らずな南部訛りの話し方がカワイイ。クイーンの子供時代をレイヴン・シモーネ(Raven-Symone)がやってたのが、びっくり。知らなかった。ハルの小さい頃を想像してみても、レイヴン・・・ちょっとテイストが違いませんか?(レイヴンの顔は、個人的に大好きなんだけど。)

NAOKO
NAOKO

レイヴン・シモーネちゃん出演のコメディ映画もどうぞ!

NAOKO
NAOKO

南北戦争背景の映画というと、若き日のデンゼル・ワシントンが出ているこの映画…

NAOKO
NAOKO

ハル・ベリー主演のTV映画といえば…

コメント

タイトルとURLをコピーしました