The Mule 邦題:運び屋 (2018)

Director: Clint Eastwood
Starring: Clint Eastwood, Bradley Cooper, Laurence Fishburne, Michael Peña, Dianne Wiest, Andy García, Alison Eastwood..

Sam Dolnickの書いたNY Timesの記事、「The Sinaloa Cartel’s 90-Year-Old Drug Mule」を基に映画化された、実話に基づいたストーリー。記事は、第二次世界大戦の退役軍人だったLeo Sharpが、80代の頃にメキシコの麻薬組織「Sinaloa Cartel」の運び屋をしていたことを取り上げていたもので、そのLeoがClint Eastwood演じるEarlである。

人間の先入観って、あらゆるところで現実を雲隠れさせる。映画のストーリーの中に散りばめられた「先入観」は差別と限りなく似ているのだけれど、「先入観」で差別が形成されていくことが多いんだろうな、なんて感じた。「TRUE CRIME 邦題:トゥルー・クライム (1999)」、「Million Dollar Baby」や「Gran Trino」などで観る、Clint Eastwoodが監督する映画らしさを感じる。

Earlは自分の大好きなデイリリー栽培を家族を犠牲にしてまで一生懸命続けて、それなりに胸を張れる生活をしていた。ただ、それもネット通販が流行る時代には太刀打ちできずに、借金かかえて財産の差押えをくらうことになる。

弱みを見つけた老人に、スッと麻薬組織は近寄ってくる。最初は何を運んでるかも知らず、ただただ、仕事が終わると大金が置いてあるのだ。どこにでもいそうで誰にでも声をかける白人退役軍人の90歳近い頑固者Earl(Clint Eastwood)が、まさか麻薬の運び屋やってるとは・・・なかなか気づけないだろうね。

麻薬取締局はEarlが運び屋をする麻薬組織を追うのだが、その「先入観」でなかなか足を掴むことができない。
ただ、お金や時間に追われることのなくなったEarlは、自分の帰ることができる「家族」の存在の大きさに気づいていく。人は年を取っていくと、「今だからこそ家族に出来ること」をしたくなるのか・・・年を取ると寂しさを感じることも多くなるし、過去を離れて振り返ると、今の自分と照らし合わせて後悔することもあるからだろうか。関係を修復できた娘が「お父さんはただ遅咲きだっただけよ。」というセリフが何とも。

麻薬運びの道中に、Earlは車のパンクを直せなくて立往生している若い黒人家族を助けてあげる。パンクの直し方を教えてあげるのだけれど、そこでEarlは何の気なしに「ニグロ」と言ってしまう。でも夫婦は助けてもらっていることもあって、ムキになったりはせずに「今はそれは使わないよ。絶対、使っちゃダメだ。俺はブラック、あんたはホワイト。」と教えるように言う。そしてEarlは「そうなのか」と納得する。現実にはこういう対応は難しいのだろうけれど・・・日本でもあるもんね。私も「それが差別用語だとは知らなかった!」と後で気づいた言葉もある。特に世代が違う相手と話すのであれば一旦、若い方が一歩引いて話してみるというのも、大切なのかも。

でもここ20年くらいで漢字の読み方や言葉が簡略化されてきていて、私達の読み方が20代の方々に「間違い」という烙印押されることが多いという同年代の話を聞く。「それ間違いです。そうじゃないです。」って言われて終わっちゃうらしい。差別用語でも間違いでもないのにね。

話それちゃいましたが、Bradley Cooper、Laurence Fishburne、Michael Peñaも好きな俳優さんなので、うれしさ倍増の映画でした。

Laurence Fishburne、貫禄付きすぎですけれど。


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