1995年放映されたTV映画、ローレンス・フィッシュバーン主演の「THE TUSKEGEE AIRMEN(邦題:ブラインド・ヒル)」。時代は1942年、ルーズベルト大統領の頃、第二次世界大戦中に結成された史上初の黒人戦闘機部隊を描く、実話に基づいたストーリー。
黒人映画ではおなじみのメンツが出演し、熱演しているのも見所。

監督:Robert Markowitz
出演:Laurence Fishburne, Allene Payne, Malcolm-Jamal Warner, Courtney Vance, Andre Braugher, Chris McDonald, Daniel Hugh Kelly, Mekhi Phifer, John Lithgow, Cuba Gooding Jr., Vivica A. Fox
ローレンス・フィッシュバーン(Laurence Fishburne)演じるHannibal “Iowa” Leeを中心に、キューバ・グッディング・ジュニア(Cuba Gooding Jr.)演じるBilly “A-Train” Roberts、アレン・ペイン(Allen Payne)演じるWalter Peoples III、メキ・ファイファー(Mekhi Phifer)演じるLewis Johnsなどが第99戦闘飛行隊に戦闘士官候補生としてタスキーギに集められ、白人将校から差別的な扱いを受けながらも厳しい訓練を乗り越えていく。
「黒人は医学的に戦闘機を扱う能力がない」とまでされても、それを打ち消す実力をつけて、ついに黒人だけの部隊「第332戦闘機部隊」が結成されてヨーロッパの前線で戦う…
このころ唯一白人と同等に扱われた場所といっていいのが、「戦争」だったとも言われる。厳密にいうとそうでないのは、この映画を観てわかると思うけれど(実際「黒人連隊」としてまとめられてるわけだから)、部隊として戦力になる実力をつければ認められる…いや、白人将校たちも認めざるを得ない。
この連隊にかり出された面々は黒人の中でもエリートの集まりだから、正直、この映画で描かれているのは「この時代の特別な人たち」のストーリーだろう。そうとはいえ、「特別な人」であっても、白人指導官から差別を交えた耐えがたい訓練を受けても、いざ出撃命令が下されると彼等は「黒人を代表する戦闘部隊」として胸を張って米国に命を捧げていくのです。

米国空軍公式ウェブサイト(Official United States Air Force Website)の歴史アーカイブで「Tuskegee Airmen」に触れてみてください~
意訳:NAOKO
TUSKEGEE AIRMEN / タスキーギ・エアマン
上の写真に写っているのは、第二次世界大戦中に米国陸軍航空軍の黒人航空部隊に所属していたパイロットと地上スタッフ達で、「タスキーギ・エアマン」として知られています。1941年1月16日、ヘンリー・L・スティムソン米国陸軍長官は、黒人追跡飛行部隊の編成を承認しました。「第99追跡飛行(のちに「戦闘」)部隊」は1941年3月に編成され、11月15日にアラバマ州タスキーギのいくつかの施設に分かれて訓練を始めました。第99部隊はカーティスP-40戦闘機、のちにP-39戦闘機を装備し、1943年4月にはフランス領モロッコに配置され、チュニジア、シチリア島、イタリアなどの基地から戦闘任務につきました。1944年2月に第99追跡飛行部隊は第100部隊、第301部隊、第302部隊と合併して「機第332戦闘機部隊」が編成され、ベンジャミン・O・デイビス・ジュニア大佐(後に中将)が指揮しました。部隊は1944年4月から5月にかけてP-47サンダーボルト戦闘機を、6月にはP-51マスタング戦闘機を装備しました。ヨーロッパ戦線の終結まで、第15空軍爆撃機を護衛してイタリア基地から地上標的を攻撃しました。第332戦闘機部隊は、1945年3月24日のベルリンへの護衛任務に対して優秀部隊として表彰されました。
1943年中頃、米国陸軍航空軍は黒人で構成された爆撃部隊、「第477砲撃部隊」の編成を決定しました。1943年6月1日に発効し、パイロット訓練生たちはタスキーギで訓練を受けることになっていましたが、訓練場はすでに多くの訓練で埋まっており、新たに訓練生を受け入れることができませんでした。米国陸軍航空軍は、黒人パイロット訓練生を白人訓練場に送り込んだり、新たな人種分離施設をつくることをせず、タスキーギの訓練場が使用可能となるまで訓練生を「第477砲撃機部隊」へ送り込むことを延期しました。タスキーギではパイロットをノース・アメリカンB-25戦闘機への乗務に切り替えたり砲撃や追跡の訓練ができなかったので、米国陸軍航空軍は黒人士官に対して高度な訓練を可能にするために人種分離政策の例外を適用して、白人訓練場に黒人士官を送り込みました。そこでの訓練は、白人士官より無下にされ人種差別を受けるなど、苦しいものでした。こうした延期と困難が度重なり、残念ながら「第477部隊」は戦争が終わるまで出動できませんでした。しかしタスキーギは1946年に閉鎖されるまで、黒人パイロットを養成する唯一の場所だったのです。この訓練場の卒業生は、第477砲撃機部隊と第 332戦闘機部隊のためにここで訓練を受けた他のパイロットや地上スタッフとともに、「タスキーギ・エアメン」と呼ばれています。
Christopher Koontz博士
Air Force Historical Support Division, Tuskegee Airmen
史学者・米軍空軍史料支援部門
Lucasfilmが制作、アンソニー・ヘミングウェイが監督して2012年に公開した映画「Red Tails(邦題:レッド・テイルズ)」も、このTuskeegee Airmenを描いた作品。Cuba Gooding Jr.はこっちにも出演してるという。こちらには他にもNe-YoとかMethod Manとか、Terrence Howardなどが出演してます。空撮は迫力あるものだけれど、「The Tuskegee Airmen」のほうが人物を丁寧に描いている印象。

実話モノで「黒人史上初のマスター・ダイバー」を描いた「MEN OF HONOR(邦題:ザ・ダイバー)」もどうぞ!キューバ・グッディング・Jrが熱演してます。
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