ジェイミー・フォックスとトミー・リー・ジョーンズで、90年代米国南部の裁判を描いた実話モノ 映画「The Burial」

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2023年10月からAmazon Prime Videoで公開、ジェイミー・フォックスとトミー・リー・ジョーンズが共演した、1990年半ばのアメリカはミシシッピー州を舞台にした、inspired by true storyの映画、「The Burial(邦題:眠りの地)」。

ベースになったお話は、Jonathan Harrが1995年に書いたドキュメンタリー本の「The Burial」で、後の1999年には新聞のThe New Yorkerに連載されていたもの。

監督:Maggie Betts
脚本:Doug Wright、Maggie Betts
出演:Jamie Foxx、Tommy Lee Jones、Jurnee Smollett、Alan Ruck、Mamoudou Athie、Bill Camp

ミシシッピー州ハインズ郡で葬儀屋を営んでいたJeremiah(トミー・リー・ジョーンズ)は地域密着でこれまで事業を大きくしてきたが、経営が行き詰まり、大企業に事業を売却することに。でも契約がなぜか頓挫で先方から数か月経っても連絡がない。はめられたか!ということで裁判することに。でも相手は大企業、敏腕弁護士が出てくるだろうし勝ち目もあるかどうか。しかももう裁判をするためのお金の工面も厳しい状態…。

そんな中、Jeremiahの顧問の若手弁護士Hal Dockins(ママドゥ・アティエ)が、ある敏腕黒人弁護士に目を付ける…それがWillie Gary(ジェイミー・フォックス)。

Willieは専門外の弁護であることと、白人の弁護をこれまでやったことがないからということで、全く依頼を引き受ける気はなかったのだが、Halの必死で的確な説得で引き受けることになる。相手は敏腕女黒人弁護士を出してきた。双方、「ミシシッピー」という土地柄、陪審員の多数や判事が黒人であることに対策をしてきたわけだ。

そして裁判は、Jeremiahだけでなく、この南部片田舎から出ることもなく生計をたてている黒人達が昔からの人種差別で虐げられてきた境遇までが関わってくる…

最終的な結末はスッキリするこの映画。ちょうど同時期に、OJシンプソンやロドニー・キングの裁判がおこなわれていたりで、人種差別問題に敏感な時期でもあったな~と回帰。

その地域に生きる白人のちょっとした言葉遣いや振舞いが、黒人に対して自然に差別的だったり、逆に黒人たちも「KKK」に拒絶意識が根強くてそのワードが飛び込んできただけで「そいつの親もKKKならあいつも、お前もKKK」という考えになる。この映画の中でも、そういった典型的南部な振舞い(黒であれ白であれ)が描かれているけれど、これが自然なこととみんなが思ってても、ずっと何も変わらないわけで。

Willieはプライドをズタズタにする「典型的」な差別を受けたのに、それを「差別」で返さなかった。Jeremiahの裁判から部下や仲間が離れていっても、Willieは立ち向かった。過去の呪縛への怒り選択するのではなく、未来への扉の鍵を開けることを選んだ。そう、過去の奴隷制度が生んだ人種差別に対する怒りを引きずっていても、何も変わらないんだから。

NAOKO
NAOKO

アラバマとかミシシッピーなど、アメリカ名部のバックグラウンドを垣間見ることができる映画たちは…

ミシシッピーバーニング Still Things are going on…
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映画としてドラマティックに仕上げるために、割と脚色もあるようですね。映画のトレイラーも「based on」ではなく「inspired by」になってるし。主なところでは、Raymond Loewen側のリード弁護士のMame Downe(Jurnee Smollett)が実話では女性ではない…など。

Fact checking 'The Burial': How accurate is Jamie Foxx, Tommy Lee Jones' courtroom drama?
How accurate is "The Burial," Jamie Foxx's new legal drama about lawyer Willie Gary, who won 0 million for his client? We fact check the movie.

Jamieは少し以前より太って、実物のWillieに似せたのかな?最初、JamieがKeith David(「DEAD PRESIDENTS(邦題: ダーク・ストリート/仮面の下の憎しみ)」、「CLOCKERS(邦題: クロッカーズ)」などに出演)に見えたわ~。2023年4月には撮影中に緊急搬送されて療養していたようですが、12月初旬には元気そうな姿でスピーチしてたようで安心しました。

この映画、90年代が背景とあって、その頃の音楽が流れてくるのがまたツボなところ。Salt-n-Pepa featuring En Vogueの「Whatta Man」やら、En Vogueの「Hold On」とか、WillieとJeremiahのテーマソング的なものになるTony! Toni! Toné!の「Feels Good」とか。Guyの「I Like」や、4PM、Black Boxなどまで。Gang Starr featuring Nice & Smoothの「Dwyck」でGreg Niceの声が聞こえた時なんてもう、頭の中ディレイでいっぱいになったやん!

ジェイミー・フォックスといえば、Ray Charlesを演じた映画「Ray」が有名なところでしょうか。LA Gang “Crips”の創設者Stanley Tookie Williamsを描いた実話ベースの映画「Redemption: The Stan Tookie Williams Story」でStanleyを演じてます。

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