公民権運動時代に下宿屋を営む女性とそこに集まる人々の生き様を描く温かい物語 映画「Lackawanna Blues(邦題:ラッカワナブルース)」

Lackawanna Blues (2005 TV) 邦題:ラッカワナブルース MOVIE | 映画
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舞台は1950~1960年代のニューヨーク州、西の端に位置するラッカワナ。

原作者のRuben Santiago-Hudsonが、自身の育ての親でありその地区で下宿屋を営む「みんなの”Nanny”であり”Mom”」であるRachel(=Nanny)の生き様を語るというストーリー、2005年に放映されたTV映画「Lackawanna Blues(邦題:ラッカワナブルース)」。

Lackawanna Blues (2005 TV) 邦題:ラッカワナブルース

監督:George C. Wolfe
原作:Ruben Santiago-Hudson
出演:S. Epatha Merkerson, Terrence Howard, Macy Gray, Mos Def, Delroy Lindo, Rosie Perez, Ruben Santiago-Hudson, Jeffrey Wright, Saul Williams, Barry Shabaka Henley, Thomas Jefferson Byrd…

「自分は自分の為に生きる」ことができるからこそ、人に手を差しのべることができる…のかな。時には優しく包むように、時には厳しく突き放すように。でも、そこにあるのは博愛の精神なのね。Nannyを見てたら、そう感じた。

50~60年代というのは、公民権運動などを含めた黒人の意識向上とそれを形にしていこうという力が、生活にも現れていた時期なんだろう。もちろんみんなを取り巻く環境はいいわけではないし、これまでの境遇が後ろ髪を引いたりもする。そんな人が肩を並べていられるから、明日にも希望が持てるんだろうな…いや、持とうよ!と言える誰かが周りにいるから、相乗効果があるんだろうな。

日本でも誰に襲われるかわからない時代になった。でも、悪事を働く人にその瞬間に悪が降りてきたわけじゃないはず。この映画の中でのようなコミュニティーの存在って、もうなくなりつつあるのかもしれないし、現代社会では、こんなおばちゃんはお節介でしかないか、「偉そうな人ね」と映ってしまうのかもしれない。でもNannyのような人って、人間社会には必要で、そういう大人を見て育てば自然と「善悪の判断」や「博愛の精神」が身に付くんじゃないかなと思う。

深く突っ込んだ文化を感じさせる表現はないけど、みんなの着ているもの、喋る内容、歌の内容に自然と醸し出されてる。温かい物語。

90年代からブラック・ムービーを楽しんできた人にとっては、もうスペシャル過ぎる俳優陣たち。Nannyを演じるエパサ・マーカーソン(S. Epatha Merkerson)は「Radio(邦題:僕はラジオ)」でRadioの母親役をやってた人で、演技としゃべり方が役にハマってる!

Delroy LindoやThomas Byrdなんて涙もの!「SLAM(邦題:スラム)」のソウル・ウィリアムズ(Saul Williams)、「BOYCOTT(邦題: ボイコット)」でキング牧師を演じたジェフリー・ライト(Jeffery Wright)。テレンス・ハワード(Terrence Howard)はNannyのあらくれ旦那役。

シンガーのメイシー・グレイ(Macy Gray)まで出演…むっちむちだけど、かわいい!モス・デフ(Mos Def)さんは、歌っていましたよ。そして製作総指揮にはハル・ベリー(Halle Berry)の名前も。

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