1930年代、40年代、50年代のアメリカを背景とする黒人達のドラマを3部作で綴った1996年のTV映画、「AMERICA’S DREAM」。
全ての物語がなんか切ない。その時代の、黒人でいるからこそのタブーとか描かれている。 ギャングモノに飽きた人は観て下さい。黒人であることってどういうことだったかってのが垣間見れます。
監督:Paris Barclay、Bill Duke、Kevin Rodney Sullivan
出演:Danny Glover, Wesley Snipes, Jasmine Guy、Lorraine Toussaint、Norman D. Golden II
1部:Long Black Song (Loneliness Aches Inside Her)
原作:Richard Wright「Long Black Song」
1938年、アラバマが舞台。農業を営む、ある黒人家庭。夫は町の白人商人に収穫物を売りに行く。その間赤ちゃんのおもりと家のことで手一杯の妻。
ある日、今年は収穫も多かったから、いつも苦労させている妻に指輪でもプレゼントしようと、夫は収穫の全部をつぎ込み、妻への指輪を買う。
しかし、そういった夫の気持ちとは裏腹に、毎日ひとり家で夫の帰りを待つだけの生活に、何か物足りなさを感じていた妻がとってしまった行動は・・・。
まだ黒人と白人で上下関係が成り立っていた時代の、せつないおはなし。ダニー・グローバーがまっすぐな夫を、熱演しております。
2部:The Boy who Painted Christ Black
原作:John Henrik Clarke「The Boy who Painted Christ Black」
1948年、ジョージア。州立の黒人学校の話。「誇れるもの」といったテーマで集められた、州の記念日の展示作品を選ぶことになった。
作品の中には、絵が上手な男の子描いた「Black Jesus(黒人のイエス・キリスト)」が。担任の先生は「黒人のプライド」として誉める。でも、最終的に展示作品を選ぶのは校長。その校長も黒人なのだけれど、州の白人の保守派お偉いさんから昇進の話を持ちかけられているから、「Black Jesus」を選んでしまうと昇進が危ぶまれるのだ…。
自由になりつつあるけど、根本では何もかわってない・・・でも黒人の向上心は高まりつつある時期を描いた物語。
「NEW JACK CITY(邦題:ニュージャック・シティ 1991年公開)」のウェズリー・スナイプスが葛藤する校長役を好演。
3部:The Reunion
原作:Maya Angelou「The Reunion」
1958年、舞台はシカゴ。ジャズ・ピアニストとしてバーで働く黒人女性と、昔その親を召使いとして雇ってた白人宅の娘の話。
その黒人女性は幼い頃、その白人娘にいじめられていた。ある日偶然、ある場所で二人は再開する。黒人女性は昔の思い出の残像に苦しめられ、復讐に…。
この時代って結構白人の金持ちが黒人男とつるむっての、多かったのかな?だいたい黒人がPimpみたいに描かれてたりするのが皮肉。
2007年11月21日 初回掲載
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