黒人女優として初めてアカデミー賞にノミネートされたドロシー・ダンドリッジの生涯を描いた、1999年のTV映画「Introducing Dorothy Dandridge(邦題: アカデミー 栄光と悲劇)」。
監督:Martha Coolidge
出演:Halle Berry, Brent Spiner, Klaus Maria Brandauer…
歌って踊れるダンドリッジシスターズという3人組グループの一としてコットンクラブなどに出演していた彼女は、そのセクシーな美貌と歌声でソロとして引き抜かれる。歌だけでなく女優業にも進出していくけれど、1940年代、黒人がハリウッド映画に出演してもメイド役などの脇役で主役なんて夢のまた夢という時代。
どうしても主役が欲しい!彼女は映画「カルメン」でその望みを果たす。ただ、差別があるのは映画界だけではない。有名女優であっても黒人である彼女は、一般の白人が普通に使うことのできるレストラン、プール、トイレまでも、使うことができないという・・・。成功している実感を得たい・・・黒人女優にとっては、自分で成し遂げた達成感まで踏みにじられるのか。
プライベートでも、母親のレズ相手にひどい仕打ちをされ、トラウマに悩まされたり。結婚して生まれた子供は脳に障害を持ていたり。大監督にそそのかされたり。2度目に結婚したのは、お金目当てのろくでなしだったり。
一番近くで支えてくれた人の大きな愛に気づくのがもう少し早ければ、彼女は幸せだったのだろうか。それとも、彼女の望む大役に抜擢されていれば、もっと幸せになれていたんだろうか。
実は私、この映画を同じハル・ベリー主演の「Queen(邦題:クイーン 1993年TV映画)」を観終えた次の日に観たからか、それほど入り込めなかった。QUEENのストーリーの方が展開に起伏があって、悲壮なところは半端なく悲壮だったからかな?
ドロシーのカルメンは私は観ていないんだけど、ビヨンセ主演の「CARMEN; A HIP HOPERA(邦題:カルメン;ヒップ・ホペラ 2001年公開)」がリメイク作品なんだと思うんだけど、あんな雰囲気のままだったのかな・・・ドロシーのことを知っている人が観たら、この映画はまた違う印象で終わったんだろうな。
ハル・ベリーといえば、「Their Eyes Were Watching God(2005年TV映画)」なんかでも、いい演技してる。ご存知の方が多いだろうけど、このドロシー・ダンドリッジを演じたハルは、「Monster’s Ball(邦題:チョコレート 2001年公開)」でアカデミー主演女優賞を取ったよね。あのときのハルのスピーチ、素晴らしかったな。
でもその後の2004年には、「キャットウーマン」でラジー賞も受賞・・・ちゃんと授賞式に参加して、面白いスピーチして楽しんでらっしゃいました。
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