「Redemption: The Stan Tookie Williams Story(邦題:クリップス)」は2004年のTV映画で、2005年12月13日に死刑執行されて亡くなった、LAギャング「クリップス(Crips)」の創設者の一人だったトゥーキーこと、スタンリー・ウィリアムズ(Stanley Williams)の物語。
刑務所に入った1981年から、本を出版してノーベル賞にノミネートされて死刑反対運動が高まった頃までが主に描かれています。

Tookieの死刑が執行されたときの記事はコチラ↓

監督:Vondie Curtis-Hall
出演:Jamie Foxx, Lynn Whitfield, Lee Thompson Young, Brenden Jefferson
トゥーキーが無実を主張してたからか、映画では「彼が犯したとされる犯罪」のことはあんまり取り上げられなくて、彼の刑務所での変化と、その間の活動に焦点が当てられてる。

マルコムXなんかも、刑務所で本を読むことで心境が変化していったよな
「彼が犯したとされる犯罪」は、1979年に2件の強盗で4人を殺害されたとされている。セブンイレブンとモーテルでの強盗で得たとされる金額は、約300ドルくらいやったはず。決定的な証拠はないけど、数々の証言で彼の罪は立証されて、有罪判決。死刑。
検察は3人の黒人陪審員をこの裁判から外して、陪審員は黒人0、ラティーノ1、フィリピンアメリカン1、残りの10人はCaucasians(白人)で構成されてたとか。陪審員の評決の間、スタンリーは暴言を吐いたり、脅したりしてたという記録があるとか。
極端な情報が色々あって、彼を「有罪」か「無罪」かっていうのは、色々調べても判断できへんのよ…少なくとも私には。なので、映画もこういった構成にしなければ成り立たなかったのかなと思う。1993年以降はその記録はなく、ギャングとの関わりもないみたいやけど、1980年代の彼は反抗的で暴力的やったという記録があるとか。
どちらにしても、彼は「何か」を境に改心して、「redemption(贖罪:しょくざい)」に生きた。きっとそれは「別の表現の方法」を知ることができたからかな…あたしにはこの映画を通してこんな風に映ってる。力(暴力や銃)で表現する「強さ」しか知らなかった人間が、言葉で「強さ」を表現できることを知ったというか。
人間って、もともとは動物的やと思うねん。伝える能力である「言葉」とその「言葉」を生む「思考」がなければ、暴力的で野蛮になってしまうんちゃうかな。スタンリーを取り巻く環境が彼を「動物的」に成長させてしまってたんよ。彼がもっと前から、違った「強さ」を知ってたら…と思う。彼の死を悼むだけでなく、特にスタンリーと同じ環境下の黒人社会の人々は考えて欲しい。暴力と銃の力は人間を「無」にさせるって。この力があるから、あなた達はスタンリーを亡くしたんだやから、って。
過去の過ちを詫び、本を書き、子供達にanti-gangとnon violenceを訴えた。2001年からはノーベル平和賞にノミネートされ続けてん。でもこれ、彼だけの力ではありえなかったと思う。きっと心の中では後悔や詫びることはあったとしても、果たしてそれを表現することができたやろか?
やっぱり人との出会いって大切やと、この映画を見てても思わされる。ある人に出会うことによって、今までと変わった人生、違う自分になれることってあるもん。自分一人の力では、なかなか難しいことやね。バーバラとスタンリーとの出会いは、かけがえのないものやったと思う。暴力や銃なしで、心でぶつかり合い、素直に言い合える間柄の人間はギャングであるスタンには居なかったんやないかな。 でもその新たな出会いである「chance」を生かせたのはスタン自身。そこに敬意をはらいたい。
ジェイミー・フォックス(Jamie Foxx)が、スタンリー役を好演しております。かなり肉づきよくしたかな? スタンリー、すごいキン肉マンやったもんなぁ。ウィル・スミス主演の「Ali」であの役、「The PLAYERS CLUB (1998) 邦題:ザ・プレイヤーズ」であんな役をしていた人とは思えません!笑
バーバラ役のリン・ウィットフィールド(Lynn Whitfield)もよいです。アンジェラ・バセット(Angela basset)と雰囲気似てる? TV映画の出演が多いようやけど、「A THIN LINE BETWEEN LOVE AND HATE (1996)」、「Head of State」なんかに主演。あれ?コメディが多いのね。笑
スタンリーの遺骨は灰になり、彼の希望通りに、南アフリカのソウェトにあるThokonza Parkの湖にまかれたそうです。映画でも彼の長年の友人として描かれていたバーバラが連れて行ってあげたんやって。






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