事実に基づいて映画化された、2009年公開の映画「The Soloist(邦題: 路上のソリスト)」。
原作は、ロバート・ダウニーが演じたスティーヴ・ロペス(Steve Lopez)による、この映画と同タイトルのLAタイムズでのコラム、「The Soloist」。Nathanielを演じるのは「Breakin’ All the Rules(邦題:恋のトリセツ 別れ編 2004年公開)」や「Redemption: The Stan Tookie Williams Story (2004 TV映画)」のジェイミー・フォックスと、「アイアンマン」のロバート・ダウニー・ジュニア。
監督:Joe Wright
脚本:Susannah Grant
原作:Steve Lopez
出演:Jamie Foxx, Robert Downey Jr., Catherine Keener, Tom Hollander, Nelsoan Ellis, Lisa Gay Hamilton…
ネタ探しに悩んでいたロサンゼルス・タイムズのコラムニストのSteve(ロバート・ダウニー・ジュニア)が、音楽を奏でる路上生活者Nathaniel Ayers(ジェイミー・フォックス)と偶然出会い興味を引かれるが、ネタというよりも実際にNathanielの力になろうとのめり込んでいく姿と、Nathanielが何故路上生活者になった所以と、Steveとの出会いでどうなっていくかをクロスオーバーさせて描いた作品。ネタバレになるが、Nathanielは路上生活者というだけでなく、少し精神的な問題を抱えている人物でもある。
ドキュメンタリー映画を観ているようにさえ感じるくらい、淡々と描かれている。(それなのに、Steveは離婚してるように描かれているが、この映画が描いている時期は独身だったようで、後に結婚した模様。映画のテーマを尊重するために彼自身が変更を望んだよう。)
…の割には、クロスオーバーが目的すぎているのか、いい物語なんだけど、設定に入り込めないでいた。SteveとNathanielの両方でなく、どちらかに焦点を当てて描かれていた方が、テーマにどっぷり浸かれたんじゃないかなと思う。
Nathanielが天才音楽家であることを否定しないが、それ以上に彼以外の人間に想像もできない彼の繊細さが彼を路上に出させ、ああいったカタチの表現をするに至ったんじゃないかな。繊細な感覚の持ち主だからこそ、音に親しみ没頭し、天才と呼ばれるくらいまでの表現ができたのかも。彼が絵に親しみを感じていたら、彼は天才画家になったんじゃないかな。
大げさまでいかない、いい具合に繊細さを表現してるのでは。Steveを演じるロバート・ダウニー・Jrも、これまた大げさでなく、実際こんな人なんだろうと感じさせる演技。もうちょっと脚本がどうかしていたら、もっと深みのある映画になってたんじゃなかろうか? チェロの音とベートーベンが美しい!
実際にNatanielをLAで目撃している人もいるそう。最後のシーンの最前列に、本当のMr Ayersがいるとかいないとか?
感動で涙するほどではないけど、また観たくなる映画であります。
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