2Pacが自分自身を語るドキュメント的な映画「Tupac: Resurrection(邦題:トゥパック・レザレクション)」

Tupac: Resurrection (2003) 邦題:トゥパック レザレクション MOVIE | 映画
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2003年公開、「Tupac: Resurrection(邦題:トゥパック・レザレクション)」。

トゥパック(Tupac)の伝記というよりも、Tupacが自分自身のストーリー・テラーとなって語っている間、懐かしい映像が垣間見れるという映画構成になっていて、ドキュメントに近いものになるかな。それがかえってドラマティックに仕上げられたものよりも、Tupacを身近に感じさせてくれている。

Tupac:Resurrection (2003) 邦題:トゥパック・レザレクション

監督:Lauren Lazin
出演:Tupac Shakur, Bill Bellamy, Jada Pinkett Smith, Arsenio Hall, The Notorious B.I.G…

彼が何をやってきたかというよりも、内面的なものや彼自身の考え方に触れることができるので「彼はこんな面もあったんだ」と、あらためて興味をそそられてしまう。彼自身がドラマティックに語ってるのかもしれないけれど、大げさすぎない。自ら傲慢だったことを認めてたり、「ちょっとやりすぎてしまった」とか、「自分自身を止めることができなかった」とか、何かの力に任せて振る舞ってしまったことを後悔・反省してたりする。

彼が生まれてきた境遇、母Afeniの存在、彼の才能、女性に惹かれやすい気性。皆さんご存知のことでしょう。この映画でそれらが描かれている。様々なエピソードから、彼は貧困に対しての思いが、思った以上に強かったんだと知る。「poverty(貧困)」って単語、何回でてきたやろう。それが彼独自の「THUG LIFE」の思想のベースになってるのか。

The Hate You Gave Little Infants Fucks Everybody = THUG LIFE

2Pac / Tupac Shakur

「Thug life is a new kind of Black Power」。2Pacのいう「thug」は辞書に載ってる「チンピラ」などの意味とは違う。Thug is not criminal, it is “the underdog”…こんな感じでTupac自身が言ってたという。負け犬というか「犠牲者」かな。だからThug Lifeはどん底の状態でもstruggleする生き様みたいなものなのか。

LAギャングのBloodsとCripsの「Truc Picnic(平和協定みたいなもの。1992年の出来事)」で、ギャングの抗争やドラッグ売買、銃撃について規制をもたらす「Code of Thug Life」をTupacが作成し、互いのグループの重要人物がサインしてギャング抗争を落ち着かせたりした。

2Pac
2Pac

Truc PicnicについてはUrban Dictionaryで↓

Urban Dictionary: Truc Picnic
Meeting between gangsters of different bands to maintain harmony in the streets, in which the famous rapper Tupac Shakur presented his "Code Of Thug Life" in 1992, signed by the gangs to maintain a ce...

この「Code of Thug Life」は地元のghettoなどでも配られたらしい。ただし、この思想がDeath Rowへ移った後もまだ彼の中にあったのかは、ちょっと疑問。

10代の頃の彼のラップ・パフォーマンスも見ることができるのだけれど、かなりコンシャスなこと歌っている。やっぱりこの人は表現したいことが沢山あるんだな。Digital Underground時代の可愛いダンス・パフォーマンスや、映画「JUICE(邦題:ジュース 1992年公開)」のBishopのイメージから抜け出せない世間とのギャップとか、這い上がるために、自分の才能を上手く柔軟に使ってきたんだろう。

後半は、Tupac自身の人生が裁判沙汰ばかりだから…。どちらかが嘘をついてると思うしかないような証言の食い違いもあるし、その判断は見る人によると思う。才能ある人間の大半がそうであるように、彼も、人が信じられないという状況に陥ってしまう。その中で、刑務所から救い出してくれたSugeが唯一、信じてみようと思わせてくれる人間になったんだろう。それからの彼は華々しかったけど、あたし自身はその前の「ME AGAINST THE WORLD(1995年リリース)」以前のTupacが好きだ。

この映画は、決して彼の死がどうとか、彼の行いがどうとか、彼とビギー(Biggie)やパフィー(Puffy)との確執の真相や、彼の裁判がどうなったとかを探ったり、追ったりしていない。彼の言葉で、彼自身を表現してる、カッコつけてる部分、弱い部分、反省してる部分…そんなところが見れる映画。

きっと彼の言うように、みんなの心の中でTupac Shakurは生き続ける。

R.I.P.

NAOKO
NAOKO

そして、2Pacの曲のなかでも印象深い3曲をどうぞ↓

in the lyrics: Keep Ya Head Up - 2Pacの名曲は女性へのリスペクト
このエントリーのタイトル下の画像の写真の中に写っているのは、2Pacと彼のママ、Afeni。このエントリーの画像は全て、2Pac没後の1997年にVibe Magazineから発売された「Tupac Shakur: Foreword by Quincy Jones」を撮ったもの。2Pacこの本、NAOKOは買った当時から全部読めてへんらしく、写真集化してるみたいやで。見開きA3以上あるから「大きい...

in the lyrics: Dear Mama アルバム「Me Against the World」に入っている2Pacの名曲「Dear Mama」の歌詞より
2Pac アルバム「Me Against the World」に入っている、ママへの感謝の歌、Dear Mama。彼のママのAfeni Shakurは1980年代後半から1991年までドラッグ中毒で、その後克服したようだけれど、その状況も理解した上で、ママへ感謝したい気持ちを表現している、そんな曲。歌詞は後半部分で見てね。NAOKO「Me Against the World」↓ 2Pacのアルバム...

in the lyrics: Changes by 2Pac 黒人自身に「変わっていかなあかん!」と訴える2Pacの名曲
2020年5月25日、またアメリカはミネソタ州ミネアポリスで白人警官の暴行により黒人男性、ジョージ・フロイド(George Floyd)が死亡した。こういう時に思い出す曲のひとつ、トゥパック(2Pac)の1998年発売のベスト・アルバム「Greatest Hits」に入っていたシングルカット曲「Changes」。レコーディングは1992年だった模様。今回のGeoge Floyd事件の概要と、この事...

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