1994年に発売したJoiのデビュー・アルバム、「The Pendulum Vibe」。当時はよく彼女を雑誌の「VIBE」や「THE SOURCE」で見かけて、「雰囲気のある人やなぁ~」と思っていた。写真の構図やファッションを覚えているくらい、印象的な写真が多くて。
実際アルバムを買って聴いたのはその数年後だったかな。Dallas Austinがプロデュース、Joi自身とDallasがソングライティングしている。neo soulのハシリとされているけれど、Soul、R&B、jazz、reggae、funk、psychedelic、hiphop…曲ごとの雰囲気に応じた要素で表現されていて、聴けば聴くほど彼女の感情的な声と絡まってツボにはまってクセになるアルバム。
- Stand
- Freedom
「Stand」と一緒に、映画「Panther」のテーマ曲としてカバーされた曲。カバーの方は、様々な女性アーティストが参加していてさらにパワフルでゴージャスに生まれ変わっています。こちらのオリジナルのFreedomは、拡声器から訴えかけているようなアレンジが臨場感を醸し出していて、静かな底力を感じる。Diamond Dがプロデュースで参加で、hiphopテイスト入っています。 - Sunshine & The Rain
妖艶なJoi姐さんのヴォーカルがクセになる曲。PVは少し怖いですが、自分自身を解き放ちたいのだけれど、ぐるぐる繰り返しことの繰り返しのように感じる現状に苦しい…と歌う曲。 - I Found My Niche
前曲の流れから、「わたしのいどころ」や「わたしらしさ」を見つけた…自分が自分であることを喜び、それを表現することを厭わないという決意が込められている。 - Find Me
Soul Ⅱ Soul的グランドビートに乗せて、息苦しさから解放されていく強さを感じる曲。 - Memories
90年代前半的なサウンドとオールドソウルが混じった感じのリズムと、ビタースイートなJoiの歌声が何とも言えない…懐かしく切ない思い出に浸ってしまいたくなるような曲。思い出せる喜びというか・・・Joiの伸びのある声が切ないが爽快感に溢れている。 - Fatal Lovesick Journey
ワカチコ奏でるギターサウンドと泣きのトランペットに、あの尺八みたいな汽笛みたいな音(あれ何て音?)…Isaac Hayesな70sソウルを感じさせるスロー・ナンバー。Joiの伸びのある声が、スローを重たく感じさせない。 - Adoramus Te Christe
- Narcissa Cutie Pie
Narcissaっていう名の女性に何故か魅せられて「何だかわからないけど、あの娘が欲しいの」とエロティックに歌う。Joiが自身のレズビアンっ気に気づいた時の体験を歌っているらしい。乾いたドラムがドラマティック。Joiの「ア」の発声がなんともエロティック。 - I Don’t Mind
レトロ感あるリズム。 - If We Weren’t Who We Were
- Freedom (celebration mix)
「Freedom」のリミックスが入ってる、映画「Panther」のサントラ↓
Diamond Dのアルバムはこちら↓
Joiのカリスマティックな魅力は、このアルバムで表現されている自己啓発、自己表現、個人の自由、個性、ウーマニズムに繋がる言葉に合わせて彼女の声と言葉と絡まる音が醸し出す「彼女らしさ」と、それを体現するヴィジュアルからくるんだろう。
20代半ばでこの妖艶さ。
私もこの頃、20代入ったところだったのか…この妖艶さは、なかったなぁ~。青かったなぁ。
でも今思うと、あの頃の自分ってキラキラしてたよな。あ、ギラギラかもしれんけど。自分らしく奔放に生きれてた。自分で責任とれさえすれば自由で、守るものもないし、ここで死んでもいいやと思えたし、肌にもハリがあったし(笑)。社会人になって20代半ばまでは、胃液吐きながら仕事してたけど、自分も周りもキラキラしてた。もうバブルは弾けてたけど、名残りの中で生きてたからね。
でも、もうすぐ50代に突入。重力に負けてるのを感じて、だからといって何もできない私。妖艶にもなれやしない。もう自己表現を諦めているのか…いや、もうちょっと頑張らななぁ…葛藤してる間に時間は寝る時間といった毎日。
とりあえず、完全にマスクフリーな日常になるまでは、抵抗力(ただの脂肪)つけて無理しないようにしよう!
でも、この年になってつくづく、自分として生きてきたことへの喜びは感じてる。もう肩肘張ってキラキラするような年でもないし、余裕をもって笑って生きていこう。
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