1992年にリリースされ、”Queen of Hip Hop Soul”の称号を彼女に与えた、Mary J. Bligeのデビュー・アルバム「WHAT’S THE 411?」。そのリミックスアルバム「WHAT’S THE 411? Remix」は、1993年のリリース。
“411”はアメリカの電話番号案内サービスの局番。Maryがデビューする前に、このサービス「GOOG-411」を提供している会社にオペレーターとして勤めてたことから、このアルバムに採用されているようです。派生して、”the 411″はDictonaly.comで、”information or knowledge, usually about an event or activity and acquired by oral communication.”とされています。”What’s the 411?”で「なんか情報ない?何か詳しいこと知ってる?」な感じで使うとか?
Maryのアルバムの中で、一番のお気に入り。Hiphopとヴォーカルの融合がこれほどバチっときまっているのって、他にないと思う。あとは、肩肘張ってカッコつけていたがフレッシュだった20代前半の自分を思い出すからかもしれない。
WHAT’S THE 411? (1992)
- Leave A Message (Intro)
- Reminisce
- Real Love
- You Remind Me
- Intro Talk (Interlude) feat. Busta Rhymes
- Sweet Thing
- Love No Limit
- I Don’t Want To Do Anything feat. K-Ci Hailey
- Slow Down
- My Love
- Changes I’ve Been Going Through
- What’s The 411? feat. Grand Puba
Uptown Recordsからリリースされたこのアルバム。エグゼクティブ・プロデューサーおよびほとんどの曲のプロデュースをSean “Puffy” Combsが務めています。Puffyは、1990年にインターンとしてUptown Recordsに入ったところなのだから、当初からプロデュースの才能があったんでしょう。
しょっぱなのIntro「Leave A Message」、Puffyから始まり、アルバムを聴いたDJ達がMaryに連絡してきた留守電の設定。Schoolly D.の「P.S.K. What Does It Mean?」のビートに乗せて流れていくのがかっこいい。
ヒップホップをベースにしたサウンドに、Maryのハスキーでストリートを感じさせる少し粗削りな歌声が、胸に沁みます。シングルカットされた「You Remind Me」、「Real Love」、「Reminisce」、「Sweet Thing」、「Love No Limit」のどれもが印象的でした。
「I Don’t Want To Do Anything」は、ねちっこいK-Ciのバリトンボイスと絡み合う曲。これがキッカケで恋仲になったそうですが。
「Top Billin’」のサンプリングが効いている「Real Love」は、最高。この頃の私のアンセムになってました。Maryって歌でビート刻むのが上手いからなんだろうね、歌が上手いんなら他にもいるけれど、この曲やこのアルバムで聴けるMaryのビート感、グルーヴ感って、シンガーの中でも独特な気がする。
彼女の独特な味が、気負うことなく周りに盛り上げられて歌に専念できたこのデビュー時期に、存分に発揮できた素晴らしいアルバム(リミックス版含めて)だと思います。
WHAT’S THE 411? Remix (1993)
- Leave a Message feat. The Notorious B.I.G., Puff Daddy, K-Ci Hailey, Martin Lawrence, Tim Dawg
- You Don’t Have to Worry feat. Craig Mack
- My Love feat. Heavy D
- Real Love feat. DJ Ron G and The Notorious B.I.G.
- What’s the 411? feat. Puff Daddy, K-Ci Hailey and The Notorious B.I.G.
- Reminisce feat. C.L. Smooth
- Mary & Andre feat. Andre Harrell
- Sweet Thing
- Love No Limit feat. Kid Capri
- You Remind Me feat. Greg Nice
- Changes I’ve Been Going Through
- I Don’t Want to Do Anything feat. K-Ci Hailey and Kid Capri
私はこちらのリミックス版の方が、よりhiphop soulと臨場感を感じて好みです。
Craig Mackとの「You Don’t Have to Worry」の原曲は、”Yo! MTV Raps”のホストだったDoctor DréとEd Loverが主演している映画、「Who’s the Man? (1993年)」のサウンドトラックで使用されていたもの。Introの「Leave a Message」からの流れが最高。
「Reminisce」は、Pete Rock & C.L. Smoothのクラッシック、アルバム「MECCA AND THE SOUL BROTHER (1992)」に入っている「They Reminisce Over You (T.R.O.Y.)」とミックスしたいよね~そうだよね~。
こちらの「Sweet Thing」はまるで小さいクラブでの演奏を聴いているみたいで、ちょうどいいグルーヴ感がある。
Nice & SmoothのGreg Niceのディレイが冴えわたる「You Remind Me」、DJ Ron Gの入りで気合入る「Real Love」・・・どのリミックスも、Maryの良さを壊さないところもいい。
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